【2020年版】ブラックフライデーでDTMerにオススメしたいオーケストラ音源 3選+1
毎年11月はDTMerにとっての一大セールイベント【ブラックフライデー】がやってきます。
今年も各社どんなセールを仕掛けてくるのかワクワクしますね。
そんな中でも、もしセールになってたらコレは買いだ!と思う個人的オススメ音源をジャンル毎に紹介します。
もちろん、ブラックフライデーでセール対象じゃなかったとしてもメーカーや代理店によってセールするタイミングは年に数回あるのが普通なので、その際の参考にもしてください。
今回はオーケストラ音源編です。
Contents
1.Hollywood Orchestra シリーズ(EastWest)
EastWestの本格派オーケストラ音源「Hollywood Orchestra」シリーズは、その名の通り映画音楽や劇伴に最適な、壮大で迫力のあるフルオーケストラ音源です。
Strings、Brass、Woodwinds、Percussionの4パッケージで構成されており、それぞれ単体で買うことも可能です。
音の印象は先述の通り、映画音楽のような壮大で迫力のある音色が特徴です。
アーティキュレーションも豊富で、オーケストレーションの知識が豊富であればあるほどリアルな演奏を実現できます。
反対に、オーケストレーションの知識が浅いと表現が乏しくなりがちです。
キースイッチでの自由な奏法切り替えができないため、使いたい奏法分のトラックを追加して使うのが一般的で、DAW上のトラック数がどえらい事になってる人が多いです。
Cubase、Nuendoを使ってる人はExpression Mapを組む事でオートメーション上での奏法切り替えができるため、むしろ使い勝手は良いです。
PLAYエンジンという独自のソフトにライブラリを読み込んで使います。
基本はGold版で十分ですが、お金とマシンパワーに自信がありマイクポジションにも拘りたい人はDiamond版も選択肢に入りますが、正直Diamond版をフル活用してる人は見たことがありませんし、アーティキュレーションも同じなのでGold版のほうがコスパは圧倒的に高いです。
2.SYNCHRON-IZED SPECIAL EDITION VOL. 1(Vienna Symphonic Library)
オーケストラ音源と言えばViennaと言うほど定番中の定番音源。
特に「VIENNA SPECIAL EDITION VOL. 1」は持ってて当たり前と思われるぐらい普及していますが、このシリーズはかなり古い音源でもあるため時代遅れ感が否めないのもまた事実です。
しかし、近年Vienna社も新エンジンを開発して再び定番オーケストラ音源の地位を取りにきています。
その新エンジンと言うのが「SYNCHRON PLAYER」であり、この新エンジンに合わせてSPECIAL EDITIONシリーズも改良されています。
音の印象は、オーケストラだけでなくポップスにも使える汎用型で、ある程度リバーブをかけても音の輪郭がハッキリしているのが特徴です。
キースイッチも自由に組めるので、求めてる音を素早く表現することが可能です。
ゲーム音楽のようなメロディがハッキリした楽曲に適しています。
3.Century シリーズ(8DIO)
8DIOは、2011年設立の音源デベロッパーとしては比較的若い会社です。
日本に代理店が無いので日本人ユーザーは非常に少ないのですが、いくつか配布しているフリーの音源ソフトがやたらハイクオリティであるため知名度は意外に高い不思議な(たぶんアメリカの)メーカーです。
こちらは「Century」シリーズというBrassとStringsの各種オーケストラ音源を出しており、数少ないユーザーの評価はかなり高いです。
音の印象は、先述のHollywood Orchestraが古き良き王道映画音楽とするならば、Centuryは圧力高めな近代映画音楽といった感じです。
特にBrass音源の場合、生々しくも密度が濃くてパキッとした切れ味のある表現が可能で、ダイナミクスの調整だけで元気な音から繊細な音までコントロール、演奏が可能です。
legato奏法も他社製に比べると抜群に人間的表現をしてくれます。
たぶん多くのDTMerが求めてるBrass音源はコレなんだと思います。
ただし詰めが甘い部分が所々にあり、ソロ楽器の音程が微妙に悪い音があったり、同じダイナミクス設定にしていても音階によって表現がバラつくことがあるので、他の音源に比べるとオートメーションをかなりゴリゴリ書かないと言うこと聞いてくれなかったりもします。
kontaktエンジンで動作しますが、kontakt認証を取ってないので.nkiファイルをkontaktに直接ドロップするかクイックロードで読み込ませるという手間が発生します。
しかしこれには理由があって、kontaktに高いお布施を払って認証を取得するよりは、そのお金をユーザーに還元したいという漢気が溢れているのです。
そのため、このCenturyシリーズはクオリティと釣り合いがとれないほど安いという、ユーザーに寄り添った価格設定をしてくれています。
こちらもゲーム音楽のようなメロディがハッキリした楽曲や、序曲のような煌びやかな楽曲に適しています。
4.VIENNA ENSEMBLE PRO 7(Vienna Symphonic Library)
これは音源ではなく、音源のホストツールです。
オーケストラ音源はどのメーカーも共通してPC負荷が高いという難点があります。
DAW上ではMIDI情報やオーディオ情報、エフェクト情報など様々なプログラムを処理していますが、更に音源情報までDAW内で処理してしまうとDAWそのものに大きな負荷がかかります。
このVEP7を使えば、DAWの外部で音源情報を扱うことができるため、PCにかかる負荷を分散処理することが可能になります。
例えるならば、人気ラーメン店の大将(DAW)が仕入れ、調理、接客、皿洗いを全てこなしていたところに、スタッフ(VEP7)を投入することで、仕入れと調理(MIDI、オーディオ処理)は大将、接客と皿洗い(音源、エフェクト処理)はスタッフで作業分担する事により業務フローを効率化して負荷を軽減するようなイメージです。
しかもこのVEP7は、Ethernet経由で別のPCと連携できる機能も備わっています。
つまり、DAWを立ち上げて音楽制作にマシンパワーを集中させるPCと、VEP7を立ち上げて音源処理にマシンパワーを集中させるPCに処理を分けることが可能なのです。
初〜中級者がDAWに慣れてくると、処理が重くなって音源が正しく発音しなかったりDAWが落ちたりするようになり、PCの買い替えを検討をすることでしょう。
もちろんPCスペックを上げることは解決法のひとつではありますが、じつはVEP7を導入するだけで問題解決できる可能性も非常に高いのです。
VEP7を扱うにあたって、少し難しめのDAW知識が必要にはなりますがDTMerとして必要不可欠な知識でもあるので、是非積極的に導入を検討してほしいソフトです。
さいごに
オーケストラ音源はメーカーによって音のキャラクターや印象がかなり違うので、多くの人がどれを購入するべきが散々悩んでいると思います。
もちろん自分の理想とベストマッチする音源を見つけられることは良いのですが、実際に作曲をしていると曲によって適しているメーカーが違うなと感じることが多いです。
操作性もかなり違ってくるので、一つ買ってある程度使いこなせるようになったら気になる次の音源を買う、ぐらいのペースで買い足していくのが良いでしょう。